「……俺、朱鳥ちゃんの事が大切なんだ。
朱鳥ちゃんを守りたい。
絶対…失いたくないんだ!!」

「え……?どうしたの急に?」

緊張で心拍が高い。

このドキドキが朱鳥ちゃんに伝わってしまうんじゃないかって思うほど。

俺は、自分を落ち着かせるために大きく1度深呼吸をした。

そして、朱鳥ちゃんの手を握り、目をまっすぐ見つめた。

「……俺、朱鳥ちゃんの事が好きだ。
誰にも渡したくない。
辛い時は傍にいる。
一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に人生を歩みたいんだ!!
絶対にっ!!……俺が、朱鳥ちゃんを守ってみせる。
だからっ…………俺…と……」

その時、突然、温かいなにかが俺の口を塞いだ。





キス






「…………バカ。私もだよっ!私も好き!!
入院してから、すっごく不安だった……!!けど、楓摩先生が……楓摩先生の笑顔が、私に勇気をくれたの。
さっきだって、そう。楓摩先生がいたから頑張ろうって思う事ができたの。」

朱鳥ちゃんは泣いていた。すごく幸せそうな顔で……

なぜだろう……俺もいつの間にか泣いていた。

俺は、涙を手の甲で拭ってからもう一度、口を開いた。

「朱鳥ちゃん……いいや、朱鳥。」

ちゃんと目を見つめて。

さっき言った時より、もっと緊張している。

「……俺と、付き合ってください。」