「うっ……うわぁぁぁぁん!!……ヒック…グスッ」

「………………」

先生は黙って、私が泣き止むまでずっと私の頭を撫でてくれていた。

「…朱鳥ちゃん、大丈夫?」

15分くらいしてから、先生は口を開いた。

「……ン………グスン…ヒック……だぃじょぶ……… グスン…ごめんなさぃ……」

私は涙でぐしゃぐしゃになった顔を先生に見せるのが恥ずかしくて俯いた。

「ううん、朱鳥ちゃんは謝らなくていいよ……、逆にごめんね?急にいろんな事言われて頭、混乱しちゃったよね……。それに俺、朱鳥ちゃんの事情もわからないのに口挟んじゃって、それで……傷つけた。ほんと……ごめん。……でも、朱鳥ちゃんが辛い時は、俺がずっと傍にいるから!だから…一緒に、がんばろ?」

「せん…せ……」

「ん?どうした?」

どうしてそんなに悲しそうな笑顔を浮かべるの?

悪いのは私なのに……なんでそんなに謝るの?

なんでそんなに私のことを考えてくれるの?

なんでそんなに優しいの?

「……私、…………が…んばる……」

先生は少し驚いた顔をしてから、すぐに笑顔になった。

「偉いっ!一緒に頑張ろうね!俺も、頑張るね!」