頭の中を色々な感情がグルグルと回る。

考える度に胸がチクチクと痛くなって、涙が溢れてくる。

なんで、こんな事になっちゃったんだろう?

さっきまで、あんなに嬉しくて楽しかったはずなのに……

でも、本当に点滴は嫌だったんだもん…

嫌って言ったのに、楓摩は私の話なんも聞いてくれなくて………

もう…やだ……やだよ…………

また、この気持ちだ……

何もかもが嫌になって逃げ出したくなる。

なぜか、無性に泣きたくなって、泣いても泣いても涙が止まらない。

大声を出して、泣きたくなる。

心がモヤモヤとして、自分がわからなくなる。

気が付いたら、自分で点滴も抜いていた。

腕から血がポタポタと垂れてくる。

落ち着く……

なぜか、自分の血を見ていると落ち着いた。

鮮やかな赤い血が、青白い私の腕を伝っていく。

何もする気力が湧かなくて、私は、それをしばらく、ボーッと見つめていた。











どのくらい経っただろう……

1時間くらい、経った気もするし、15分くらいしか経ってない気もする。

血、止まらないな……

意識がだんだんと薄くなってきた。

私、どうなっちゃうんだろう…

このまま、死ぬのかな……?

死ぬのは嫌だな…

でも、そうしたら、楽になれるのかな?

そんな事を考えていた。

死んだらどうなるんだろ?

少なくとも、この辛さからは解放されるよね。

でも、後で後悔しそうだな…

あ、死んだら後悔なんて、考える事もできないのか。

不思議……

いつの間にか、ベッドのシーツは私の血で真っ赤に染まっていた。

これを見たら、みんな驚くだろうな…

なんか、前に見たドラマの殺人事件みたい。

そういえば、なんで私、こんなに冷静なんだろう?

普通、死ぬ間際に、こんなに冷静でいられる方がおかしいよね。

ハハッ……

さっきまで、聞こえていた看護師さんの歩く音や、忙しそうに走る音も聞こえなくなってきた。

きっと、看護師さん達がいなくなったんじゃなくて、私の耳がおかしくなっただけなんだろうな……

というか、人間って意外と丈夫に出来ているんだな。

こんなに出血してるのに、まだ死なないんだ。

凄いな…

指先が冷たくなってきた。

視界もだんだんボヤけてきたし、もうそろそろ私、死ぬのかな…

あんな、些細な喧嘩で死ぬなんて、やっぱり私、バカだなぁ………

ごめんね、楓摩……

最後まで、ワガママばっかりで…

楓摩に迷惑しか、かけてなかったね……

茉夢にも、迷惑ばっかりだったな。

みんな、ごめんね……

ありがとう。

大好きだよ……

そこで、私は意識を無くした。