「落ち着いた?」

「うん」

もう、すっかり涙も消えて、スッキリした気分。

「よかった」

そういって、ニコッと笑う楓摩の笑顔にまた、癒される。

「じゃあ、少しだけ話したいんだけどいいかな?」

「うん…」

楓摩が、こーゆー顔をする時は大体病気の話をする時だ……

「じゃあ、話すね。まずはね、朱鳥は今回喘息で倒れちゃったよね」

「うん」

「その後、5日間朱鳥は眠っていたんだ。」

「また……そんなに寝てたんだ…」

私……そんなに眠り続けて、大丈夫なのかな…………

「それでね、朱鳥はだいぶ体力が落ちてきてるんだ。だから、白血病の治療は少しだけ延期して、まずは、体力をつけるために少しずつ頑張っていこ?」

「……うん。私、そんなに体力ないの?」

「多分ね……、試しに今、立ってみる?」

「え……そのくらい…………」

楓摩にベッドを起こしてもらい、手で支えてもらったまま、立ち上がろうとする。

「このくらい誰でも……」

ふらっ

えっ……!?

「危ないっ!!」

間一髪の所で楓摩に支えてもらい、ベッドに戻る。

「やっぱり、力が上手くはいらないみたいだね……」

「私……こんな事も出来ないんだ…………」

『あたりまえ』の事があたりまえに出来ないことが悲しい………

「朱鳥!そんなに落ち込まないで。また、リハビリしたら治るからね?明日から、リハビリ始めよっか。」

「うん、早く治ればいいな(笑)こんな事も出来ないなんて、悔しいもん!」

「そうだね、明日は俺も一緒に着くから、一緒に頑張ろうね!」

楓摩に撫で撫でしてもらって、幸せな気持ち。

ネガティブになる事も多いけど、頑張ろ。

そう思える日だった。