「早乙女。」

振り向かない。
私は南君に、傷ついてやんない。
そぅ、決めたから。

久しぶりに『SS』から開放されて、気持ちが良かった。

少し振り向いた。

南君は、ゴテゴテ飾った女の人と仲睦まじく歩いている。

「さよなら。」

髪のリボンに手をかける。