そっか。
最初から、わかってた。
『SS』として、生きることしかもう、出来ないって。

 でも、千歌ちゃんは、私を助けてくれると思っていた。
 淡い期待は、硝子のように、バラバラにわれていく。

 例えるのなら私は、『SS』から逃れられない迷宮の中で、『おかしい。』と、いささか気になりながら、あるはずのない出口を探して歩いている。

そう、思った。

 これはただの空想…こんな事、ないだろうって。
 でも、いつまでも『SS』から逃げられないのは、分かっている。