「何を泣いているの?」

声の聞こえる方を向いてみた。
一目で上級生だと分かった。

「はい、傘。」

 優しそうな彼女は、転がっていた私の傘を拾ってくれた。

「ありがとうございます。」

「あなた、名前は?」

「あ、1年の早乙女桜です。」

「あなた、もしかして『SS』?」

えすえす?
なに?
それ。