「はぁ。」

 数日後、私は退院することができたのだが、嫌だった。
 だって、失恋相手に会わなくてはならない。
顔を合わせなくてはならない。

『ごめん。』
そう、言ってくれたら、少しは許すつもりだった。
『もう、しないでね。』
そう、応えるつもりだった。
 でも、彼からの連絡はなく、新しい彼女と仲良く遊んでいると噂が私の元へと。

「残念だね。桜ちゃん。」

千歌ちゃんは、よく御見舞に来てくれた。
噂は、本当だったらしい。