私には、存在価値がなくなってしまった。
生きていても、仕方無いだろうに。
 可哀想。
 『私』として生きていた魂が、可哀想。
 でも、大丈夫。開放してあげるからね?

 そうして、屋上の手すりにかけた手に力を込める。

「サヨナラ。」

なんてね。
聞こえないでしょう?

 そして、更に力を込めて、手すりを飛び越えた。

 ここから落ちれば、死ねるかな?