『ところで群、何に付き合えば良いの?』

『あぁ、そのことだ。折角休みがもらえたんだし、ちょっと俺と遊ばねぇか?』



 まるでナンパのような台詞に眉を寄せると、盛大に笑われた。左足に手を伸ばしそうになった時、『銃は出すなよ』と諌められた。この男は、本当に腹立たしい。



『久々にビリヤードやんねぇか?ただやるんじゃ面白くないな……昼飯代をかけて、なんてどうだ?お前が勝ったら、“ジョバンニ”のピッツァをたらふくごちそうしてやるよ。』

『面白そうじゃない。じゃあ、アナタが勝ったら“ルチア”のカルボナーラを奢ってあげる。デザートにはパンナコッタなんてどう?』

『へぇ、大きく出たな。じゃあ、ピンクグレープフルーツのジェラートも付けてやるよ。』



 静かに戦いの炎を燃やすアタシ達を見て、グレイが歓迎の口笛を吹く。ローサの他の二人は、『ボス、頑張って!』、『羽目を外さない程度に楽しんで下さいね』とのこと。チェーロの面々は群を見つめ、『またボスのミラクルショットが見られるぞ!』と喜んでいる。広間へ向かう群の背中を追いながら、アタシは久し振りの遊びを満喫してやろう、と思った。