まさかこんな栄養過剰な補給があるとは。


せめてシャワーを浴びさせて欲しいとお願いしたけど、1人で立ち上がるのが難しいくらい弱っていて「後で入れてあげるから、先に補給しようね」と言って、社長曰く「優しく」いたされた。
その後「まだ立てないみたいだから」と抱えられてお風呂に連れていかれて「肌に触れることも補給になるんだよ」と素手で洗われて、イタズラされて、ベッドに連れていかれて、「直接はできないから、不足がないようにしようね」と丁寧かつ執拗な「補給」を体中に、くまなく、隅々、されて、もうダメお願いしますと懇願したら「もう我慢できないの?しょうがないね」と言っていたされた。
その後も「ゴムを使う分、不足するといけないから」と補給行為は続き、4回目からは覚えていない…。
かなり欲求不満だったのね社長。愛はないもんね。そう思うとちょっと胸が痛い。

私の気は補充され過ぎたのか、体力を奪われたのか、翌朝、目が覚めたのはお昼近く。足腰は力が入らず足がプルプルした。今日が休みでよかった。

人様の、しかも社長のお宅で寝過ごすとはなんたる失態。
当然、目覚めた時に社長はおらず、よろよろしながらベッドを出て洋服を探すけどない。
仕方がないので、ベッドの端に置いてあったバスローブを羽織って部屋を出た。


社長とおっさんはリビングの大きな窓の前に置かれたソファで、ゆったりとくつろいでいた。



「おはよう」

私が部屋に入ってきたのに気付いた社長は、わざわざ私のところまで来て腰を抱いてソファに座らせると「体、どう?」と聞いてきた。

か、顔が近いです。きゃーまだ顔洗ってないから頬触らないでー!べたついてるー!


「だ、大丈夫です」

「そう?まだ疲れた顔してるよ」

「いや、こ、これは」

「別の疲れやなあ。誰かさんが無理させたせいで余計にしんどいわって言うてやれ」


おっさんがニヤニヤ笑いながら口を挟んできた。


「そうだな。俺が悪い」


なぜだか嬉しそうに笑うと社長は軽くキスしてきた。あんまり自然で一瞬何をされたのか気づかないくらい、さりげなく。ちゅっと。
我に返って目を丸くすると私が口を開く前に「疲れてるようだから、補給」といたずらが成功したような顔で笑った。

何だかものすごく恥ずかしくなって、シャワーを借りますと断ってリビングから逃げた。