秘密を抱えて、同僚を疑って調査する。
きっと話してくれる以上に辛い事も多かったんだろう。

木崎君はいつも変わらず、優しく笑っているから全然気付かなかった。


「私、全然助けてあげられなかったね。」

木崎君の肩に額を預けて呟くと、頬に手を当てて、そっと上を向かされた。

「そんな事ない。江藤が一生懸命やってるの見るだけで、励みになったよ。山口さん励ましてるの見たら、江藤の優しさに泣きそうになった。
‥‥それから俺の代わりに泣いてくれた時、本当に愛おしいと思った。もう絶対手放せないと思ったんだ。」


愛おしげに目を細め顔を近付ける木崎君に私は目を瞑る。

「私も木崎君への気持ち、もう逃げたくない。」




私の告白に嬉しそうに笑いながら、木崎君は唇を重ねた。