「そうかな?そうとも限らないと思うけどな。」



なんだか楽しそうに笑った木崎君は、忘れるところだったと書類を置いて戻っていった。


なんだ?お使いだったのか?
わざわざ課長自らお使いって、なんかのついでだったのかなぁ?

その後ろ姿を眺めながら考えていると、隣の班のアシスタントさんが木崎君に話しかけに行くのが見えた。
あー彼女も木崎君狙いなんだ。やっぱりモテるなぁ。

彼女は確か私より2歳下の宮田さん。普段話すことはほとんどないけれど、いつも女子力の高いオシャレさんで砂糖菓子みたいな可愛らしい話し方が営業さん達からもモテてる子だ。


男の人はそういう守ってあげたくなる系女子が好きだよねー。


間違っても姉御肌で可愛らしさから遠ざかっている私の方が好まれたりはしないだろう。
キチンと彼女の方に顔を向けて応えている木崎君を見ると、少し胸がザワザワする。