「失礼しました…」



職員室のドアを丁寧に閉める。



よし、これで帰れる…!



暖房効かない廊下は、すっごく寒いし。



もう5時になっちゃうよー…ハァ。



指名したの長谷川さんのクセに帰り際に睨まれるし。



また仕返しされたら、本当困るんだけど…。



自分の為にも出来るだけ、成宮から避難しないと。



「終わった?」

「わっ!?」



急に声が聞こえて、慌てて前を振り向く。



「なんだ…成宮か。」

「ハハッ。なんだは酷くない?」

「驚かせないでよ…全然陰ないから分かんなかったし。」



成宮は笑ってるけど、本気でビビったんだから…



暗い中、いきなり声聞こえるとか…



心臓に悪いよ。