あの時の私は、きっと余裕が無かった。 いつものクールなツンとした雰囲気とは、かけ離れてるくらいに。 とにかく“猫が助かって欲しい”としか頭に無かった。 「行ってみたら、天音さん泣きそうな顔してるし…」 え? 泣きそうな顔してた?私が? 「ちょっと驚いた。いつもと違う天音さんだったから」 「今日だけよ…!」 「どうして?俺からしてみたら、天音さんは全然クールなんかじゃないと思うけど」 そう言う成宮の口は、ほんの少しだけ緩んでいた。