恋音と校門のとこで別れた。




通学路、残念なことに恋音とは逆方向なのよね。




私は歩きで恋音は電車通学。




だからいつも校門までしか帰れない。




独りで居るのが苦じゃないから、いいけど。





「あー…疲れた」




思いっきり手を広げて、身体を伸び伸びさせた。




久しぶりだ、こんなに疲れたのは。




入学式以来?




今まで男子と喋ることを拒否してきたから、あんなに図々しい男子は成宮が初めてよ。




告白は受けても、ほとんどの男子はしつこく話しかけてこない。




だから、すごく有難かったのに!




彼奴だけは……遠ざけられない。




何故か。