いっそのこと水に溺れて。 記憶も全て忘れてしまいたい………なんて。 ありえないこと願ったって。 …しょうがないか。 ふと鏡越しに映る時計を見ると、もう少しでチャイムが鳴る時間だった。 本当なら、今すぐ戻らなきゃいけない。 けど、あんな窮屈で息が止まりそうな教室に戻りたくない…。 だって、席が二人の後ろだから。 嫌でも必ず視界には入るし。 何より、目の前で笑う彼女が憎くて仕方ない。