ただでさえ雷が苦手だっていうのに…
こんな気味が悪い真夜中の学校で、雷の音なんか聞いたら気絶してしまう勢いだ。
もう…嫌だ……っ。
今すぐ帰りたい……。
どうして、私がこんな目に遭わなきゃいけないの……?
ただ普通に過ごしたいだけなのに…。
「大丈夫。落ち着いて」
成宮の声がしたと共に後ろから身体を包み込まれ、目に溜めていた涙も引っ込んだ。
ついさっきまで眠っていたはずなのに。
どうして、こんな時ばかりは起きているのか…
不思議だ本当に。
「成宮…?」
「こうしてたら、気持ちが少し落ち着くかもよ」
「いや…そうじゃなくて……」