「本当に風邪引いても知らないんだからね…。」

「大丈夫。バカは風邪引かないって言うじゃん?」



本当に……バカだ。



いつもどこか強引で図々しい成宮だけど。



どうして、こんな時だけは気を遣うかな…。



結局は成宮の行動に振り回されてるし。



「クシュン……、」



ほら、やっぱり…



自分だって寒いのに無理してるんじゃない。



本当ッ…馬鹿じゃないの…?



なんで彼女でもない私にそこまでするのよ。



隣で鼻を赤くさせた成宮が、今だけは愛しく感じて。



こんなの悔しいけど…



その優しさにキュンとしちゃってる。



彼女が居るって知ってても、成宮の優しさに甘えるのは。



……まだ好きだから?



心の整理が、ちゃんと出来ていないからなの?



なんの意味も無い言葉、行動だとしても。



内心、喜んでる私は単純なのかもしれない。