階段を駆け足で登って、屋上に辿り着いた。



「ハァ…ハァ…!」



危なかった…。



成宮と話してるところなんか、長谷川さんに見られたら…



何されるか分かんない!



「実咲ちゃん…どうした、の…?急に走ったりして…ハァハァ…」



苦しそうに膝に手を置きながら、息を整える恋音。



「恋音ごめんっ!!」



そうだ…。



咄嗟に逃げてきちゃったけど、恋音まで一緒に走らせちゃった。



「ううん…私はいいんだけどね、成宮くん良かったの?何か話したそうだったよ」



何も知らない恋音は、不思議そうな顔をしていた。



少し不自然だったかな…?



「うん!どうせ大した内容じゃないよっ」

「そうなの~?」

「うん!早く食べよっ!時間無くなっちゃうよ」

「わぁ~!本当だ~…!!」



いいんだ。これで。