「一体これはどういう事だ?」


先程の『差出人』に久々に会ったものの内容が内容だった為に素直に祝いの言葉一つ掛けられず、ふてくされながら瑠華は言う。


「いや、コッチにも色々事情があってさ…」

「事情がどうであれ、『親友』にくらい言っても良かっただろーが、第一相手が居た事すら知らねぇんだぞコッチは。」


相変わらず首にタオルを掛けた女は拗ねたままだ。


「相手が居る事はしばらく付き合ってから言うつもりだったよ、でもまさかこんな事になるなんて…」


と言いつつ馨はベビーカーで気持ち良さそうに寝ている我が子を横目で見つめる。



「でき婚になっちゃいました、てか。
その事親にはちゃんと言ったのか?」


瑠華の問いに馨は苦虫を噛んだ様な顔をする。


「その事なんだけど結局まだ言ってなくてさ…
いや、今は言う必要無いかなって思って。」


「何言ってんだよ、いずれはバレんだぞ。」


「バレたらその時はその時で考える。

大丈夫だよ、何かあったら命掛けでこの子を守るし、旦那もどんな事があっても私達を守るって、それに…」


お腹が空いたのか泣き出す子供を抱き上げあやしながら続ける。


「陽が出来た時正直産むかどうか迷ったけど、元気に動くこの子を見てたら産まなきゃ!って思った。
不思議なモンだよね、本当に…」


無邪気に笑う陽に目を細める馨を見て瑠華も段々言う気が失せてきた。


「…ま、幸せそうで良かったよ。

もし何かあったら『ウチ』にも手を回すからよ。」


そう言って頭を掻く。


「有難う。」