ナナクセ探し 中学生編

委員会が終わって教室に戻ると、川野が一人でいた。

付き合い出してから数日たったが、二人っきりになるのは初めてだ。

「篠田、待ってるの?」

「うん。」

俺を待ってたと言ってくれるのは、一体、いつだろうか。

「俺、着替えるから。」

今日は彼女が後ろを向いてから脱ぎ出す。

耳まで赤くなっているのだろうか、と想像したら、手をのばして抱き締めたくなってきた。


着替え終わり、彼女の机の上を覗き込む。

「勉強してたの?」

「待ってるついでに宿題やろうと思って。でも、難しくてわからないの。」

「どれ?」
問題を見る。
ああ、これか。

「これはね、今日やった問題の応用だよ。川野?聞いてる?」

気付くとすぐ近くに彼女の顔があった。

そして、何か言いたげに俺を見つめている。

ヤバイ。
彼女の唇に引き込まれそうだ。

まだ、付き合って数日しか経ってないのに、いきなりそんな事をしたら、嫌われてしまいそうだ。

「あ、ごめん。ああ、うん、応用ね。
やってみる。有り難う。」

彼女の視線がおよいでいる。

なんだか、とてもいじらしくて、手をのばして頭にポンポンと数度触れた。

そして、つい、彼女の頭に唇をつけてしまう。

これ以上はヤバイ。

彼女を見ず、何も言わずに教室から走り出してしまった。

一体、どう思われただろうか。

俺はもっと、自分を押さえる事を覚えるべきだと反省した。