カーテンの隙間から差し込む痛々しい光に目が覚めた。

「……ん」

視界に入った時計で時刻を確認すれば、ありえないほどに遅く、11時前だ。いつもなら、必ず7時前に起き、お母さんを見送るのに。
昨日の誓の言葉が、寝ても忘れられない。恋人なんてない、はっきり言われてしまった。そのせいで寝る時間が遅くなってしまった。
まだはっきり機能しない頭を起こし、タンスを開く。そこには誓からもらった服だってある。

「うぅ……あぁ」

ぎゅうう、服を握りしめる。綺麗にたたまれた服はみるみるうちに崩れ、床に落ちた。
だめだ。たった一言、そう、一言だ。そんな一言に泣いてしまいほど私は弱くないだろう?ぎゅ、拳に力をいれて立ち上がった。落ちてしまった服をもう1度綺麗にたたみなおし、タンスにしまい、新しい服を取り出す。

「……よしっ」

今日1日頑張ろう。昨日の言葉は……、一旦忘れて、明日。明日、考えよう。
今は全てを忘れてしまいたい。過去にしたくないんだ、まだ。今は未来においておこう。自分に呟いた。