「奈帆、また、分かんないところあったら、いつでも聞いていいから」 ……っ。 こんな時だけ名前を呼んで、優しい言葉をかける藤くん。 どうすれば、あなたのことを忘れられますか? 忘れたいのに、忘れなくなくて。 嫌いになりたいのに、嫌いになれなくて。 好きでいたいのに、好きでいちゃいけないなんて。 「…ありがとう、藤くん」 「……っ」 もう、ちゃんとこの恋に終止符を打つよ。