みんなみたいに上手に生きられない君へ

「......もういいよ」



渡辺くんもそんな前田くんを見て、ハッとしたように瞳をうるませながらも、再び視線をそらした。
 


「いいって、何が?」  

「もう無理だろ、友達でいるの。
あいつらだって、お前だって」



......今朝男子たちが友達でいるのはもう無理って言ってたことを、気にしてるのかもしれない。

そんなことないよと言ってあげたかったけど、やっぱりここは前田くんに任せようと口を閉じる。


女の私が言うよりも、男友達で親友の前田くんが、友達だと言ってあげた方がきっといい。

渡辺くんだってきっと本心では、そう望んでるんじゃないかな......。



「何でだよ、これからも友達だ。何も変わらない」

「じゃあ聞くけど、お前これからも俺とハイタッチとかできるの?」

「できるよ」

「じゃあ......」



何の迷いもなく、できると言われて、渡辺くんは言葉を探しているみたいだった。

困ったように視線を宙に漂わせている。