みんなみたいに上手に生きられない君へ

「ごめんなさいね、あの子誰にも会いたくないって。 
せっかく和也くんたちがきてくれたっていうのに.......」



渡辺くんのお母さんは困ったような顔で、首を横に降った。


放課後、予定通り、渡辺くんの家にきた。

何度かきたこともあるという前田くんの顔を見て、渡辺くんのお母さんが家の中に上げてくれたけど、渡辺くん自身が完全にシャットアウト状態。

学校から帰るなり、部屋に閉じこもって、何があったか聞いても、一言も答えないらしい。



「......そうですか。
それなら、これ、渡して頂けませんか?」



前田くんと顔を見合せてから、カバンの中から預かった手紙を取り出して、それを渡辺くんのお母さんに手渡す。

保健室の酒井先生から、渡してほしいと預かった手紙。

今朝あったことを知ってるような口ぶりだったけど、一体誰から聞いたのか、なぜそれを私たちに託したのかは分からないけど、とにかく頼まれたから渡した。


もちろん中身は見てないけど、一体何が書いてあるのかな......。



「それと、何があっても友だちだから大丈夫だ、って伝えてください」



前田くんがそう付け足すと、渡辺くんのお母さんは困ったような笑顔を返し、二階に上がっていく。