みんなみたいに上手に生きられない君へ

「圭佑は!?」



そうしていると、後ろから肩を叩かれてびくっとなる。  
この声は、前田くん?

顔を上げると、やっぱり前田くんで、急いできたのか息を切らしている。

下に行ったと教えてあげたかったけど、声にならなかったので、階段の下を指差す。


前田くんは私の指差した方を見てから、ありがとうと私の顔を見ると、すぐにぎょっとした。



「泣いてるの!?大丈夫?
......あー、ごめん!俺ハンカチ持ってないんだ。 
部活で使ったタオルならあるけど、教室だし、しかも汗くさいし」

「......大丈夫。自分のハンカチ持ってるから。
ありがとう」



あわてたようにズボンのポケットをさわったり、ごそごそし始めた前田くんがなんだかおかしくて、少し笑ってしまった。 

それをごまかすように、スカートのポケットからハンカチを出して、涙をぬぐう。