みんなみたいに上手に生きられない君へ

渡辺くんのカミングアウトで、教室が一瞬シーンとしてたけど、すぐにざわざわし出した。

マジかよ......とか、やっぱり......とか。
 


「今まで俺らを騙してたってこと?」

「そういう目で見てたってことだろ?
ナイわー」 

「ちょっと、やめなよ......っ」



教室の中から色んな声、視線、感情。

悪意、偏見、憎悪、同情。


なんだかこの空気に圧倒されて、何も言葉を発することができなかった。



「......俺だって、......俺だって、好きで同性愛者に生まれたわけじゃない!」



前半は蚊の泣くような声だったけど、後半は叫ぶように、渡辺くんは教室から飛び出していった。

いつもの彼からは想像できないくらいに、ひどく取り乱した様子で。