みんなみたいに上手に生きられない君へ

何かって言われても、何も特別なことはない。

保健室の先生に相談したり、スクールカウンセラーに聞いてもらわなきゃいけないほどの特別なことは、本当は私にはないのに。ないはずなのに。

でも......。



「......は、い」



厳しくしかられたわけでもないのに、先生の優しい瞳に見つめられると、なんだかまるで.....。

私という人間、私という弱い人間全てを見透かされたような気分になって居心地が悪い。


なんとか一言だけ返事をした私にうなずいてから、珠希ちゃんもねと付け足してから、先生は手を振る。

珠希ちゃんが手を振り返した横で、私も頭を下げてから、二人で保健室を出た。