みんなみたいに上手に生きられない君へ

「そうなんだ、眠れなかったんだね。
それは、よくあることなのかな?それとも、昨日だけ?」



寝不足で保健室にきた、と言っても、先生は特に怒るわけでもなく、柔らかい笑みを浮かべながら、私の目を見つめる。



「よくあるってほどじゃ......。
たまに、です」

「そっか、お勉強してるのかな?
それとも、何か悩みごと?」



二択できかれる先生の問いかけは、不快な感じは全くなくて、むしろ色々話せてしまいそうな、心地よい雰囲気。



「いえ、特にそういうわけじゃ......。
なんとなく眠れなかっただけです」



話したら、聞いてくれるかもしれない。


だけど、何を話したらいいのか自分でもわからない。

いじめられてる、とか、家庭で虐待されてる、とか大きな悩みがあるわけじゃない。


ただ、小さなどうでもいいことで、さっきの発言は失敗だったかな、とか、何であんな失敗したんだろう、とかそんなことをぐるぐる考えているだけ。

そんな頭の中のザワザワが何時間も止まらなくなって、眠れなくなったりとか、授業中に泣きそうになったりする。


そんなの......、おかしいって、自分でも分かってる。普通じゃないって。

誰かに話して、おかしいと思われるのが怖い。


だから、先生にも苦笑いを返すことしかできなかった。