みんなみたいに上手に生きられない君へ

また、逃げちゃった。

バイトも、学校も、友達からも、いつも怖くなって逃げてしまう。

これ以上失敗するのが、怖くてこわくてたまらなくなって、逃げてしまう。



「熱は、......ないみたいね。
頭が痛いとか、お腹が痛いとかある?」



長くて柔らかそうな髪を後ろでひとつに束ねた、保健室の先生は、私から受け取った体温計に視線を落とす。


本当はどこかで一人になりたかったけど、学校を抜け出す度胸もなくて、結局保健室にきてしまった。



「いえ、なんかだるくて......。
昨日眠れなかったから、かもしれないです」


 
おっとりとした話し方の、優しそうな保健室の先生に、言葉に詰まりながら、言い訳をする。


ただの寝不足、サボリと怒られるかもしれないけど、本当のことなんて言えるわけない。


授業中に考えごとしてたら、泣きそうになったから、逃げてきた、なんて。

そんなこと言って、おかしいこだなんて思われたくない。