みんなみたいに上手に生きられない君へ

「それって、治らないんですか......?」

「治すのは難しいかもしれないけど、改善する可能性はある。でも、お友達の場合は心の問題の方が大きいかもしれないね。本人が事実を受け入れることができるかどうか......」



心の、問題......。

いつも明るくて、いつも笑ってて、大きな悩み事なんてないと思ってた。何かあっても、そんなに気にしたりしないと思った。

だって、いつも優しくて、いつも励ましてくれて、まさか和也くんにそんな悩みがあったなんて......。


でも本当は、ずっと悩んでたから、そういう劣等感があったからこそ、あんなに人にも優しくできたのかもしれない。



「私、かず......ともだちの心の傷を広げるようなこと言ってしまったかもしれないです。何にも知らないくせに、えらそうなこと言って。

たぶん、きっと、嫌われた。そんなつもりなんてなかったのに......。何でいつもこうなっちゃうの?」



和也くんの気持ちは想像するしかできないけど、きっと、今までずっと辛い思いして、たくさん傷ついてきたんだ。

親に相談しても勉強しない言い訳だと思われて、他のことでがんばっても認めてもらえなくて。

勉強についていけなくて、みんなから笑われても、それでもいつも明るく笑ってた。

和也くんはずっとそうやって、生きてきたんだ。


私、何にも、......和也くんのこと分かってなかった。