みんなみたいに上手に生きられない君へ

大学や就職、卒業後の進路は、まだ一年以上あるからもう少し猶予があるとしても、進級の問題はせっぱっつまっている。

私だって一緒に進級したいし、和也くんも留年はしたくないよね......。


どうにか留年を回避しようと色々提案してみるけど、和也くんはうつむいたまま。



「......そうじゃなくて......。
教えてもらっても、たぶん、テストの時にできないから」



長い長い沈黙の後、唇をかみしめたまま、彼はそう言った。



「え?」



忘れちゃう、とか?

彼が言ったことの意味を必死で考えていると、そんな私を見て、和也くんは苦々しく笑った。

笑ってるんだけど、なんだか泣いているような表情に見えて、見てるだけで胸が苦しい。



「さっきさ......、直接口で言ってほしいって言ったのは、月子が書いてくれた手紙を読みたくなかったわけじゃない。

......読めないんだ」

「......え?読め、ない.....?」



読めないって......。

言われた内容が理解できず、無意識でそれを繰り返してしまう。

だって、そんなはず......。


......あ、でも。