みんなみたいに上手に生きられない君へ

どんな顔して戻ったらいいのか分からないけど、そろそろ戻らなきゃ。

トイレ長い人だと思われるのも気まずい。


珠希ちゃんからのLINEに返事を返してから、スマホをカバンにしまって、何気なく見たトイレの鏡。

鏡の中で化粧を直していた女の子と、目が合ってしまった。  


 
「もしかして、月子ちゃん?久しぶり!元気だった?」
  
「......う、うん、久しぶりだね」 

 
 
お互い無言で鏡の中の相手を凝視したあとに、少し間を置いて相手が反応する。 

幼なじみというほど家は近くないけど、保育園から中学まで同じでよく知っている女の子。

中学になってからはクラスもずっと別だったから、見かけるくらいで話すこともなかったけど、メイクも髪形も完璧ですっかり大人っぽくなった。



「ね~。変わってないね」
  


どうしてもオドオドした話し方になってしまう私を見て、彼女はくすりと笑ったあとに、友だち待ってるからじゃあね、と出ていってしまった。