みんなみたいに上手に生きられない君へ

「も、もしもし?」

「月子?俺」


震える手で画面をタップすると、そこから聞こえてきた声は間違いなく和也くんのもので。



「は、はい。斉藤月子です」

「ハハッ。知ってる」



和也くんのちょっと低くて優しい声も、笑い方もいちいちかっこいいから困る。

和也くんと話す時に私が緊張しすぎて変なことを口走っても、軽く受け流してくれたり、笑いにかえてくれる、優しいとこも好き。

今も絶対電話の向こう側で、あのいつものにかって感じの優しい顔で笑ってるんだろうな、きっと。

見なくても分かる。



「せっかく番号教えてくれたんだし、電話してみた。
今大丈夫だった?」

「そ、そうなんだ、ありがとう。
いま、全然大丈夫、だよ」

「そっか、よかった。
今日は試合見に来てくれてありがとうな。
どうだった?」
 


ああ、もう、スマホを持つ手が異様に汗ばんでてヤバい。

電話だから見えないというのに、なぜかベッドに正座をする私。