その日の夜 久しぶりに時間が空いた俺は、夜中に杏乃の様子を見ることにした コンコンー 病室のドアをノックしてそっと開ける 離れていてもわかるほどの杏乃の乱れた呼吸音が聞こえた 「杏乃さん?」 「ん、あっ!やっ!ハァッハァ」 たぶん思い出してるのかな… 苦しそうな杏乃 唇は噛み締めすぎて切れている そりゃそうだよな… いつも強がっていてもまだ高校生 トラウマになるに決まってる