「ねぇ、そういえばさー『キャアアア!///』」


「っ!?」



姫の声を遮る、大勢の女子の黄色い声。


その声を聞いた私達は、嫌悪感がつのる。


だって、きっとあの中心には・・・・



『黒薔薇の4人だあ!!///』
『やっぱり、カッコイイ〜!!』



ほら。


また、悪夢の始まりだ。


顔色を変えた香月が、女の子達の渦の中心にいる人物達を睨みつける。



「最悪…、皆校舎戻ろ?」



「うん」



戻ろうとした所で、運悪くあいつらが来た。


最悪っ……


朝から、なんて不幸……


俯いたままの顔を上げると。


ほらやっぱり。



「お?また、学力掲示してんの?」



「っ……」



「てかまたあいつらが、順位独占かよ。
つまんねーの。」



大嫌いな、あいつらの声。


本当に、私達はこいつらが嫌いだ。


世間知らずの坊ちゃんの中でも、更に際立つ存在。


それが、彼ら4人。


彼らは、お坊ちゃん高でもかなり格が高いのか、一人一人のネクタイの色が違う。


一人目は、“黄色のダイヤ”こと、黄色のネクタイをした
【花之家蓮華ーハナノヤ レンゲー】


彼は、4人の中でもトップの財力を持った花之家財閥の御曹司で両高の、理事地の息子。


この学園の権限は、彼が握っているようなもの。


容姿は、悔しいが、かなりのイケメン。


蜂蜜色のサラサラストレートヘアが、特徴の美男子だ。


だが、そんな彼の性格はー・・・



「てか、俺の方が頭良くてカッコよくね?」



残念系ナルシスト。


自己中心的で、とにかく自分が大好き。


正直言って、単純なナルシ野郎。




「蓮華って、本当自分のこと好きだよねー。
ひくわあーww」



二人目は、“緑のクローバー”こと緑色のネクタイをした
【美土里誠名ーミドリ セナー】。


蓮華と互角の財力を持つ。


明るく、スポーツ万能、ムードメーカーで人懐っこい美男子。


特徴は、透き通るような黒髪のアシメと、たくさんのピアス。


性格はー・・・




「あ、キミ可愛いね?ライン教えて〜♪」




超がつくほど、女好き。


彼に泣かされた女は数知らず。


何十、いや何百股の、プレイボーイ。




「もう、誠名ってば。僕以外と仲良くしないでって言ってるのにぃー」



三人目は、“桃色のハート”こと桃色のリボンを付けた、
【美桜零涙ーミオウ レイルー】。


財力申し分なし。


無邪気で、可愛い、男の娘。


天使のような愛らしい姿で笑顔を振りまき、お姉さんを吐血させてしまう。


特徴は、ふわふわした赤髪に、編み込みの髪。


誠名が大好き。


性格はー・・・



「ていうか、こんなブス共より僕の方が可愛いし」



小悪魔。いや、かなり悪魔。


腹黒く、特に女が嫌い。


周りで天使スマイルを振りまき、裏で悪魔発揮。



「全く…朝から俗物臭い場所だな。」



最後は、“青色のスペード”こと青いネクタイの
【享堂由弦ーキョウドウ ユヅルー】。


財力申し分なし。


クールで、冷静。


静かな美男子で、周囲から“絶対零度の氷の王子様”と呼ばれている。


性格はー・・・



「あぁ、五月蝿い。だから、庶民は嫌いなんだ」



とにかく、差別する。


幼いころから、厳しくしつけられ品行方正。


だが、皮肉家で自分のペースを乱されるのを嫌う。