水泳のお時間<番外編>

「桐谷」


そう言って、ポカンとする桐谷さんの後ろに立っていたのは――瀬戸。


男の俺でも感心するくらい、よくもまぁうまく出来た笑顔を示しつつも

そんな瀬戸の背後には、明らかに怒りのオーラがまとっていた。


もちろんそれは、俺に対しての。


「何してんの?帰るよ」

「あっ、はい」


さりげなく桐谷さんの腕をつかんで、自分の方へと引き寄せる。

そのとき、ちょうど桐谷さんが手にしていた物を見て、瀬戸の表情が変わった。