「最近どうなの?」

「最近?」

「水泳。少しは泳げるようになれたのか?」

「あっ、えっと。うん」


――それでもまだ他の人たちみたいにはうまく行かないけど…。


俺の質問に頷いてみるものの、結局桐谷さんは最後にそう付け足した。


…桐谷さんて
相変わらず自分に自信…ねーんだな。


なんて半分呆れながら見ていた、その時だった。


…?

なんだ?



「でも、おかげで水泳の授業は補習受けずに済んだんだ」

「……ふーん」


いたって普通の会話なのに、
俺は不思議と目の前の桐谷さんに違和感を感じた。



…なんだ?この感じ。


桐谷さん、

こんなだったか?