「…飲まねーの?」

「あっ、えと……」

「……」


俺と桐谷さんはこれでも一応同じクラスなのに、
桐谷さんは相変わらず大人しくて


俺も桐谷さんに話しかけるのはあの事故後、わざと控えていたから

こうやって二人でちゃんと話すのは、前に下駄箱で偶然はち合わせして以来だ。


「……」


ほんの顔見知り程度の人間と

つい同じ電車内に乗り合わせてしまった時と同じくらいの気まずさが漂う。


そんな中、俺はようやく話しを切り出した。