「よう」

「!あっ…」


とっさに腕を軽くあげて声をかけてきた俺に、

桐谷さんは一瞬ビックリした顔を見せたかと思うと

動かしていた足を止め、ぺこっと頭を下げた。



「やるよ」


俺はもう一本
コーラのボタンを追加して押すと、それを桐谷さんへと手渡した。


そんな俺に、桐谷さんはあせったように遠慮しつつも

俺の押しに負けたのか、最後は「ありがと」と、小さな声で受け取った。



それでもやっぱりまだ緊張してるのか、
桐谷さんは俺から缶ジュースを受け取ったきり口をつけないまま。