元カレバンドDX

 しかし、夕焼けだった空が真っ暗な夜の世界へと変化を遂げた頃、再び沈黙が現われたのだった。

 気づくと、ふたりの座る距離は、とても近かった。

 ベットの上にふたり並んで腰かけると、いつもよりスプリングがきしんでいる気がした。

 PCから流れる音楽もいつしか止まり、音楽ネタも底をつき、「さてどうしようかしら?」と思ったときだ。

 右側に座っているスバルのまなざしが、一瞬鋭くなったように見えた。

「陽愛?」

「ん?なあに?」

 スバルは何も言わず、あたしに急接近してきた。

(え!?ちょちょちょっと……)

 驚きのあまり声が出なかった。

 そのままの体勢で、ぎゅっと抱きしめられて、抱きしめられたまま、ベットの上にころんと仰向けに倒された。

 そして、至近距離で影のかかるスバルの顔が見えたとき、あたしの唇の温度はほんのりと上昇した。

(キ、キスしてる!?あたし……キスしてる!?)

 突然のことに、「とりあえず目をつぶった方がいいんだわきっと!!」なんて思いながら目を閉じると、なんと今度は舌が入ってきて、あたしはさらに驚き動揺した。