戒は仕事終わると、真っ直ぐ家に帰ってきてる。



だったら、他の女と会う時間なんてある?


と、ふと思った。



ってことは、やっぱり我慢してるってこと?





「そうなのかな…」



「うーん、まぁ本人じゃないから

私にもわからないけど、多分我慢してるんじゃないかな〜」



そっか…

でも、だからといって…ね?





「ところで夏弥は、婚約者のこと好きなの?」



「え?んー、わかんない」





好きなの?と聞かれ、好きと答えそうになった。


だけど、正直わからない。





「ふーん、そうなんだ。

でもきっと、夏弥は婚約者のこと好きになると思うな私」



え?どうして?



どうしてかわからなく、頭を傾げると





「だって夏弥、婚約者の話ししてると百面相になるんだもん。

笑ったり驚いたり悩んだり…

それって、好きになりかけてるんでないの?

夏弥から婚約者の話し聞いてて思ったんだけど、なんか幸せそうだもん」



幸せそう、か…


確かに、最初はあんだけ嫌だったのに…


気づいたら幸せって思う時もあったな。



それにめぐちゃんが言うんだもん、もしかしたらそうなるかもしれない。


なんかそう思うと、あとで戒に会うときどんな顔で会えばいいかわからなくなってきた。