「起きていたのか」
「うん、結構寝たから寝れないし
戒が作ってくれたお粥楽しみだったから」
戒が私に何かを作ってくれたことはなく
初めて食べる戒の手料理は、ものすごく楽しみだった。
あ、ココアやホットミルクとか飲み物はよく作ってくれてるけど。
「別に楽しみにするもんでもないだろ。
取り敢えず、食えるだけ食え」
そう言ってお粥を渡してきた。
それを受け取り、「いただきます」をして一口口に運ぶ。
「…………」
「どうだ?」
見た目はすごく美味しそうなんだけど…
「ごめん、味がわからない…」
風邪のせいで味がわからなかった。
すごく悔しい。
初めて戒が作ってくれた料理なのに…
「熱、だいぶあがってきてるんだろ。
無味でも我慢して食え」
私は悔しいあまりに、頷くことしかできない。



