私たちのクラスのある3階まで上がり、右へ曲がる。
2-4と書かれたプレートがぶら下がるそこが私たちの教室。
なごみは教室の奥、窓側の一番後ろの席へ座る。
私はなごみの前の席に腰を下ろす。
「で?」
「うん。それでね…」
席について直ぐになごみが聞いてきてくれるから、さっきの出来事を話した。
「てかそれ苗字だし。名前じゃないし」
話終わった途端突っ込んでくるなごみ。
分かってる。名前じゃなくて苗字なことくらいちゃんと分かってる。
「まあ、勝手にやってな」
私がひとりで脳内会話していると突き放すなごみの声が聞こえた。
「なごみんひどーい」
私がそう不貞腐れたように言うと、またもやなごみが参考書を私の顔にぶつけた。
ちょ、私の鼻が潰れる、低くなる。
そう言うと「知るか。勝手に潰れとけ」なんて言うなごみ。
ほんとつれない子。
「次その呼び方で呼んだらコロス」
「…はーい」
次呼んだらほんとに刃物でも飛んできそうだ。
私は大人しく頷いた。
まだ死にたくないしね。
「てか今日変則時間割りじゃん。一時間目は…現文」
「はっ!」
現文と言えば高来先生。
いつもは午後からの授業が多いのに。
朝も会えて一時間目も会えるなんて奇跡!
今日はいい一日になりそうな予感!
