その後は、ポツポツとくだらない話をしながら教室へ向かった。


先程の事は、「前川君が私の事を好きかもしれないからきになった」
という感じで収まった。


でも、私は確信していた。

明らかに、2人には私の知らない過去がある。


少しでも触れると、壊れてしまう
何かがーー


「美麗!聞いてる?」


「あ、あーごめんボーッとしてた」


「もう!」


すっかりさっきの様な真剣な一面は見せず、ニコニコと笑う梨花。


あ……。


そういえば、前川君も安藤さんに喝入れてた時感情を隠してニコニコしてたな…


なんで前川君の事を気にしてるんだ、私は。


考えあぐねていると、教室に辿り着いた。ガラッと教室のドアを開け、入る。


入った瞬間一斉に女子の視線を感じた。


「美麗〜!前川君の事どう思った!?」


「いや〜アンタもリア充の仲間入りか〜寂しいわぁ」


なんなんだよ!
一気に女子に囲まれ、私は内心呆れる。


「あのねぇ…。私は恋愛とか考えてないから!」


そう言ってやると、えー。と不満そうな顔が返ってきて居心地悪い。


梨花は、またなんともいえない複雑な表情をしていた。


隠し事して…苦しまなくて良いんだよ。

私で良ければ、いつでも相談のるから。

そっと心に語り掛ける。
届くと良いな。


そう願いながら。


いつか梨花自身が打ち明けてくれるのを信じて、今は追求しない様にしよう。
わーわー騒ぐ女子達をかわし自分の窓側の席に着く。


ふと、冷ややかな視線を感じた。