涙―ルイ―





穴場は案の定誰もいなくて、打ち上がったばかりの花火も綺麗に見えた。



「………き」



微かに、声が聞こえた気がして、一瞬考える。


聞き返そうかとも思ったが、たぶん、花火のことだと思った。



「花火?」



そう聞き返すと、中川はふるふると首を振った。


よくよく見ると、中川は俯いていて、空を見ていない。