「あ、あの…こっち」 声とともに、遠慮がちに袖を引かれ、振り返る。 そこには、浴衣姿の中川がいた。 桜の花びらが散りばめられた浴衣に、ピンクの花モチーフの髪飾り。 いつもまっすぐに下ろされている髪の毛は、 今日はなにやらアレンジが施されていた。 「……あ、悪い…いつもと違うから」 「…ううん。えと、久しぶり…?」 「なんで疑問形?」 戸惑ったような中川の声に、なぜか笑いがこみ上げてきて、そこからは他愛もない話をしていた。