「じゃあこのあと、始業式だから廊下並べー」
いつの間にか日野センセーの話は終わって、
各々がけだるそうに廊下へ出ていくところだった。
「……あの、私の顔、何かついてますか?」
「は?」
立ち上がろうと椅子を引いた時、
目を泳がせながら話しかけてきたのは、紛れも無く中川実桜。
「いや、何もついてないけど。なんで?」
「いえ、別に………。見られてるような気がして。すいません」
「ん、ならいーけど」
おどおどとした感じの敬語と、俯いた顔にかかる黒髪。
それが、中川実桜の第一印象だった。
やっぱり、暗いやつ、と。


