隣の部屋にフランス人


「これもいいなー」

嬉しそうにメニューをパラパラめくる王子を
見ているとなんだか嬉しくなってきた。

「俺決めた!リリーは?」

「私これ」

色んなチーズの名前があって、
もうよくわからないから、適当に決めました。


料理を待っている間、王子は嬉しそうに
壁に貼ってあるポスターを見つめていた。

「俺、全部読める!」

「そりゃそうでしょうよ。フランス語なんだから」

「日本にいるのに、フランス語ばかり!すげー」

私がフランス語話せたら、
王子は喜ぶかな?

誰だって自分の言語が一番好きだよね。

「そうだ!
リリーのお父さんは何の仕事してるのか?」

「あー、普通のサラリーマンだよ」

「さらいー?」

「えっと、普通にオフィスで働いてる人」

サラリーマンって何て言うんだろう…
まあ、いいや。

「あーOK。いつも遅くに帰るから、
何するかなって…」

そういえば、王子の家族のことって何も知らないな…

「ルイの両親は何をしてる人なの?」

「お父さんはシェフ。お母さんいない」

「そ、そうなんだ…」

あらら、きいたのまずかったかな?